「別にうちは、立派な家系でも何でもないし、もし問題があったら、もっと早くに話してるよ」

純くんは、優しすぎるところがある。

そこも含めて私は好きなのだが。

強い海風が、母親譲りの艶のある長い黒髪を乱す。

「純ちゃん。必ず幸せにするから…」

「私も」

そっとキスを交わした。