○文化祭リハーサル(文化祭前日)

 朝から学校中がお祭り前の準備で賑わいをみせている。各教室では、模擬店や催し物の準備に追われている。体育館では、舞台で発表する部活のリハーサルが行われている。

○生徒会室(文化祭前日)

 こちらは全員が集合し、進捗状況を見守っている。

 晴斗「演劇部と書道部のリハーサルは終わったって」
 佑真「あとは、ダンス部と軽音部と吹奏楽部か」
 颯太「時間通りだな」
 奏天「吹奏楽は何時からだ?」
 颯太・晴斗・佑真「へ?!」
 奏天「だから、吹奏楽部は何時からだ?」
 颯太「14時〜だけど……」
 奏天「そうか」

 それ以上は何も言わない奏天に、三人は疑問しかない。今まで、特定の部活を気にしたこともないし、ましてや吹奏楽部には知り合いもいないはずだ。その後も雑用に追われ、先程の奏天の発言を忘れていた。

 (13時50分)

 奏天「行ってくる」
 颯太・晴斗・佑真「へ?!」

 生徒会室を出て行こうとする奏天に慌てて声を掛ける。

 颯太「ちょ、ちょっと待て。どこに行くんだ?」
 奏天「体育館だが」
 晴斗「何しに行くんだ?」
 奏天「見学?」
 佑真「はあ?!奏天が吹奏楽部を見に行くのか?」
 奏天「何か問題があるのか?」
 佑真「問題は……。ないのか?」
 颯太「大ありだ!大騒ぎになる」
 奏天「はあ……。少し覗くだけだ」
 晴斗「面白そうだから俺も行く!」
 奏天「目立つから来るな」

 (いやいやいや、奏天一人で大騒ぎだと三人は内心で突っ込む)

 生徒会室を出て行った奏天。

 残った三人の会話は続く。

 颯太「どうなってるんだ?」
 晴斗「全くわからない」
 佑真「吹奏楽部に何があるんだ?」
 颯太・晴斗・佑真「あやしい……」

 三人もこっそり体育館に行くことにする。何を(誰を)見に行くというのだろう。