○文化祭終了後の片付けの時間(教室)

 吹奏楽部の演奏も終わり、教室に戻ってきた杏奈にクラスメイトから次々に声がかかる。

 男子①「羽田さん、花火大会一緒に見ない?」
 男子②「俺も誘おうと思ってた」
 女子①「あんた達、自分の顔見たら?それより杏奈ちゃん、生徒会の人達と知り合い?」
 女子②「私も聞きたかった〜」
 女子③「私、今日始めて近くで見たけど、イケメンすぎて眩しかった」
 女子④「わかる〜」

 男子を遮り、杏奈の元には女子が集まってきた。

 杏奈「知り合いでも何でもないよ」
 女子①「そうなの?杏奈ちゃん目当てじゃないの?」
 女子②「私も思った!」

 そうは言われても、先日ぶつかった以外には接点がない。

○同時刻(生徒会室)

 颯太「どう言うことが説明して」
 晴斗「な〜んかおかしいよね」
 佑真「一年の教室に行ってみたり、吹奏楽部の演奏聴きに行ったり」
 颯太「白状しろよ!」
 奏天「……。彼女がいる」
 颯太・晴斗・佑真「……?ええっ?!」

 驚き固まる三人と平然としているの奏天との温度差がありすぎる。

 颯太「彼女って意味知ってるか?」
 奏天「はあ?何いってんだ?当たり前だろう」
 晴斗「ど、どこの誰?」
 佑真「吹奏楽部で一年のカフェの子か?!」
 晴斗「でも、全く奏天に興味なくない?」
 颯太「確かに。奏天どこで知り合ったんだ?」
 奏天「コンビニ」
 佑真「本当に付き合ってるのか?」
 奏天「失礼だな」

 奏天の中ではすでに杏奈は彼女だ。大きなすれ違いがあるまま、花火大会に突入する。