「いや……やだ、私、生きたい……死にたくない。奏斗さんと一緒に生きていたい……離れないから。ずっとそばにいるから……死ぬとか言わないで…っ」
込み上げてくる涙を目に溜めながら、必死に奏斗さんを見る。奏斗さんはまた私を優しく抱きしめた。
「凪、ごめん。この世で凪と幸せを添い遂げることが一番幸せなことだって、オレ、ちゃんと分かってるから。だから二人で幸せになろうね」
「――――はい……」
『このまま凪を抱き殺す』アレは冗談なんかじゃない、本気の目だった。奏斗さんの元から離れようものなら、私はきっと抱き殺される。
愛し尽くされて、全部を搾り取られて、知らないうちに死んでしまうんだと思う。
今更悟が口にしていた、『アイツはやめた方がいい。凪の人生がめちゃくちゃになる』という言葉が脳裏に過る。
けれど考え方を変えると、私の人生めちゃくちゃになるときがくるとしたら、それは奏斗さんの人生もめちゃくちゃになったときだ。
二人でめちゃくちゃになるのなら、もういい。
――例えこれが間違った恋愛だったとしても。



