家に帰宅すると、奏斗さんから強く抱きしめられた。
――ああ、安心する。やっぱり私は奏斗さんだけだと思い知らされる。
「朝から凪の元カレの悟が家にきたよ。少し首掴んでこらしめてやった。凪は大丈夫だった?」
…………悟のあの表情を見ると、到底少しではなさそうだったけど、あえて触れない。
「私も悟に会ったよ。悟ね、浮気相手と別れたんだって。浮気相手は奏斗さんが仕向けた女って言ってたんだけど……そうなの?」
恐る恐る問いかけると奏斗さんは肩を震わせながらクックッと笑いを吐き出していた。体を離され、優しくゆっくり唇にキスを落とされる。
「そうだよ。悟の浮気相手はオレに好意を寄せてくれてた篠田なみって子なんだ。大学時代にサークルで知り合ってね。あまりにも連絡がしつこいから、悟に上手く近づいたらご褒美あげるって言ったら頑張ってくれちゃって。正直、期待以上だったね」
「…………奏斗さんは、そのなみさんにご褒美は?」
「ああ、ご褒美はオレからの開放。なに? オレが凪以外にいやらしいことすると思った? 安心して、オレ、凪以外興味ないから」



