報われたい独占欲は、狂気のソレ




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「奏斗さん、私、悟と別れました」


 その日の夜、電話でそう告げると長谷川さんはすぐに私の家へやってきた。『悟と別れたからといって、奏斗さんと付き合う気にはなれない。ごめんなさい』と、長谷川さんの告白の返事をすると、長谷川さんは柔らかく微笑んだ。


「分かった。凪が心変わりしてくれるように頑張るね。これから毎日家に来て良い? 凪が心配なんだ」


 一人でいたら死んでしまいそうな顔でもしていたのだろうか。


 その日から長谷川さんは毎晩毎晩仕事を終えると何かしらの手土産を持って私のアパートへやって来るようになった。


 休日の前の日は仕事を終えるとそのまま私の家へ泊まる。全然離れようとしない。


 一緒にご飯を食べて、テレビを見て、話をして、夜は一緒のベッドで寝て、いつしか奏斗さんがいないと成り立たないような生活に変化していった。


 奏斗さんといるとホッとする。


 私をちゃんと愛してくれていると分かる。


 私は奏斗さんに無償の愛を求めていた。


 こんな関係が続いて三ヶ月が経った頃、


「奏斗さん、これ、私のアパートの合鍵です。いつもありがとうございます」


 悟に返してもらった合鍵を奏斗さんに差し出した。


 嬉しそうに微笑む奏斗さん。私は流れるように奏斗さんに体を預ける。