長谷川さんは家まで私を送り届けたら、そのまま私を抱くのだろうか。
私は抱かれてしまうんだろうか。
――でも、もういい。もう抱かれてもいい。もう、自分がどうなってもいい。そういう覚悟で長谷川さんに家まで送ってもらおう。少しでも自分が傷つかないために。
◆◆◆
「じゃあ、凪、ちゃんとご飯食べるんだよ」
「はい」
「なにかあったらすぐ連絡するんだよ、分かった?」
「……はい、分かりました」
家の前までタクシーをつけてくれた長谷川さん。てっきり家に寄るものだとばかり思っていたけど、連絡先を交換したらそれで気が済んだらしく「オレはこのまま帰るね」とタクシーのドアを開けてくれた。
「色々とありがとうございました。では、失礼します……」
長谷川さんの元から離れて自分のアパートへと向かう。
私はこれからどうしたらいいのだろう。
悟が浮気をしていたとしても、話し合いで解決できればいいと思っていた。けれど、知ってしまった今は話し合いなんて到底する気にはなれない。
悟を許せる気にはなれない。今まで通りに接するなんてできない。



