――知らない、こんな感覚全然知らない……
「どこが不感症だって? 耳を舐めてるだけでこんなにとろんとした顔になってるのに」
「……っ、それは……」
片方は耳を舐め回され、もう片方の耳は指を突っ込まれていやらしく触られる。まるで耳を食べられているみたいに、脳みそからどんどん感覚が麻痺していく。
こんなの知っちゃいけない。
この人から離れなきゃいけないのに……
「惚けてる凪、凄くカワイイ。オレでこんなになってるんだね、カワイイよ」
放たれる一つ一つの言葉が脳をおかしくさせていく。
悟以外から抱かれるなんて死んでもイヤなのに、そう思うのに、少しだけ期待してしまっている私もいる。
こんな快感を与える長谷川さんが悪いんだ。
こんなの、死ぬまで知りたくなかった。
「それでも、凪がカレシと別れないならオレ、凪の浮気相手でもいいよ」
散々溶かされた耳で、心臓に爆弾が落ちそうな言葉を言い放つ長谷川さん。
「な、なにを……言ってるんですか……」
「凪にはオレしかいないって、体に教え込むから。だから口はイヤイヤ言ってていいよ」



