報われたい独占欲は、狂気のソレ



 返す言葉が見つけられなくて無言になる。長谷川さんはまた私の耳をゆっくりと撫でては、形を確認するようにふにふにと触り始めた。


「や、やめ……」

「正直言うと、オレのここね、凪以外には反応しない。無理やり誘われたこともあったし、努力もしてみたけど全然反応しなくてね。毎晩イヤっつーほど凪を想いながら一人でシてるのに……笑うよね」

「…………な」

 長谷川さんは私の手を握る。
 私が不感症だという事実を伝えれば長谷川さんは諦めてくれるかもしれない。そう信じてゆっくり口を開いた。


「わ、私……感じないんです。悟とこんなに長く付き合って、何度も体を重ねてきたのに気持ちいいと思ったことがないんです。不感症なんです」

「凪がカレシで感じてないのは見れば分かるよ。この前もベランダでヤッてるの見てたしね。でも、今は違うだろ。オレにドキドキしてくれてる。オレと体重ねたらどうなるんだろうって思ってくれてる。絶対、最高に気持ちいいよ」

「気持ちよくありません! 私、不感症なん――」


 言いかけた瞬間、長谷川さんは私の耳を甘く嚙んできた。そのまま私の耳の中に舌を忍び込ませ、耳の中全体をゆっくり舐め始めた。


 ――いやらしく音を立てながら、私の感じるところが分かっているみたいに。