報われたい独占欲は、狂気のソレ



 新手のナンパ? だとしたら早く私の前から消えてほしい。仮にこの画像の人物が悟だとしても、この男がどうやって私のカレシを突き止めたのかが気になってしょうがない。


 プライベートと仕事をきっちり分けたい私は、職場の人にカレシの顔を見せていない。なんなら名前さえ言っていない。悟のことを話すときは『カレシ』で通している。私のカレシを誰かに聞くにしても答えられる人はいない。


「――――あの、なんで私のカレシを知ってるんですか?」

「ん? あぁ、川口さんとカレシが一緒にいるところを見たからだよ」

「…………見ただけなのに、私のカレシだってなんでわかったんですか?」


 一緒に外に出ているときはいちゃいちゃしないと決めている。私は悟と手さえ繋がないし、繋ぎたくない。だから変なところは見られてないはずだ。


「毎週、土曜日の夜七時に南町のコンビニで待ち合わせしてるでしょ? その後、だいたいファミレスでご飯を一緒に済ませて川口さんのアパートに向かう」

「…………………」

「川口さんのアパートに出入りしてるのは、コイツだけだし。カレシかなって、違う?」


 新手のナンパなんかじゃない。「偶然」なんかでもない。



 ……この人は危険な人だ。