報われたい独占欲は、狂気のソレ



 翌日、隣で寝ている悟を起こさないように仕事へ行く準備を終える。足音を立てないようにゆっくりと玄関へ向かうと「凪?」と私を呼ぶ悟が寝室から顔を出した。


「じゃあ、私先に出るからね! 私の家の鍵は持ってるよね?」

「うん、ある。俺もまた仕事終わったら連絡するから」

「分かった。悟も頑張ってね」


 今日が日曜日かと思うほどに悟と変わらない朝を迎え、自分の家を後にする。仕事場へ行くと店長から事務所へ来てほしいと呼び出しを受けた。


 見学も兼ねて来週本社へ説明を受けに行くことになった。


 webカメラを通して話をした人は一見、五十代くらいの男性で、店長から「あの人がここの社長だよ」と教えてもらい背筋が伸びる。失礼がないようにと身を引きしめ、本社の下見に行くまでお昼はお弁当を持参した。


 そのおかげもあり、昼休憩に入る時間帯に長谷川奏人と会うことはなかった。