一段上って一言話し、一段上って見つめ合う。エドワードがザラを部屋まで送る時間を目一杯引き延ばしているのだ。
「せっかくザラといるのに、貴族狩りの話なんてやめようよ」
「貴族狩りの話が嫌なら、アンドリュー君はどんな話がお望みじゃ?」
「僕がザラのどこをどんなに愛してるかって話を朝までしたいな」
「8割方、先っぽのない足の話になりそうな話題じゃな」
いつもより10倍は時間をかけてやってきた私室の前で、ザラが微笑んだ。ザラの微笑みにエドワードの胸がぎゅっと縮む。
もっとずっと、部屋が遠かったらよかった。



