離縁するのじゃ、夫様!──離縁前提婚の激重陛下が逃がしてくれず、結局ズブズブ愛され王妃に君臨するまで─


玄関ホールを通り過ぎるつもりだったザラは、エドワードに手を引かれて立ち止まった。マスクをつけたままのエドワードが真っ青の瞳を細める。


「夜の散歩行こうよ」

「我は出会ったばかりの男、アンドリューと夜の散歩をするほど無警戒ではない」

「うーん、身持ち固くて安心だなー」

「部屋まで送るのは許可するぞ。紳士のたしなみじゃからな」

「じゃあ今日のところはそれで我慢しよう」



義足側に立ち、歩みの鈍いザラをエドワードはエスコートし始める。腰にも手を添え階段をゆっくり一段ずつ上って行く。

エドワードのご機嫌が、目元だけでキラキラ眩しくザラに伝わった。


「何がそんなに嬉しいのじゃ?」

「ザラの手を引いてる今より嬉しいことないよ」

「自分にも我にも甘い男じゃ」