しかし、エドワードは柔和に優しく微笑む。
「離縁くらいで僕から逃げられるなんて、思わないでね。ザラ」
窓際に立ったエドワードは、階下から馬車に向かってゆっくりと歩いていくザラを見つめていた。
「また結婚すればいいだけだよ」
唇に人差し指を押し付けて、エドワードはザラの丸い膝の感触を思い出す。
褐色の艶めかしい肌、焦げ茶色のつり目がちな瞳、豊かな黒髪、
そして欠けた足。
「全部全部、ザラは僕のものだからね」
一度くらいの離縁になんのダメージもないエドワードは、柔和な笑みに真っ黒の欲望を灯していた。



