離縁するのじゃ、夫様!──離縁前提婚の激重陛下が逃がしてくれず、結局ズブズブ愛され王妃に君臨するまで─


ザラが掲げた「モミ葉、収穫量8倍!」の目標に従い、ジェニットは忙しく走り回った。


さっそくスラムで仕事にあぶれた大人たちを大量に雇用して種付けを急がせた。


ジェニットは雇用に雑務に予算管理と眠る暇もなかった。


だが、走り回るジェニットの目は爛々と輝き、希望に満ちていた。


意欲を持って先導する女領主に領民たちは熱くついてきた。元からのジェニットの人望が遺憾なく発揮されたのだ。


「ザラ様!行ってきます!」

「ああ、良い風が吹くように」

「ありがとうございます!」


朝からあわただしく出立するジェニットを見送ったあと、ザラはジェニットの屋敷のテラスで優雅に新聞を読んでいた。


動くのは領主であるジェニットだ。義足のザラは知恵と金を与え、さらなる大局を見据えて座っている。


されど最近は新聞もとても刺激的だ。


遠くエドワード国王が治める王都は今大騒ぎだからだ。