離縁するのじゃ、夫様!──離縁前提婚の激重陛下が逃がしてくれず、結局ズブズブ愛され王妃に君臨するまで─


困窮したハミルトン領を立て直すには一刻も猶予もない。もらえるものはもらって、利用できるものは利用して、意地でも商売を軌道に乗せて、若き女領主ジェニットは領民を守る。


ジェニットはグリーンの瞳に決意を灯す。領民の期待をその指輪に込めて、ジェニットはぎゅっと握り締めた。


「ザラ様!ハミルトン領に投資していただき、ありがとうございます。がんばります!」

「うむ、打てば響くそなたは心地よい。我と共にあれば、良い風が吹くぞ」


リベルタ族が使う「良い風が吹く」には、強運が舞うという意味がある。

ザラがのっそりと立ち上がろうとするので、ジェニットは素早く手を差し出す。ザラも気持ち良くその手を取って、笑い合った。