離縁するのじゃ、夫様!──離縁前提婚の激重陛下が逃がしてくれず、結局ズブズブ愛され王妃に君臨するまで─


ジェニットが大興奮でモミ葉について語るのを、ムキムキ眼鏡が止めに入る。領民たちがワッとジェニットを笑った。ジェニットのモミ葉推しは領内では常識のようだ。


「す、すみません、ザラ様!」

「良いぞ、ジェニットがモミ葉とこの領を愛しておるのがよく伝わった」


ジェニットが照れてブロンドポニーテールを揺らすと、また領民たちがそろって笑う。

温かい空気にザラは和んだ。

領主と領民が想い合う温かい空間の中で、ザラは耳障りの良い慣れた幼馴染の声を想起した。


『国ってさ、結局は人なんだよ』