今日までザラはさらに王妃としての研鑽を積んだ。そんなザラの王妃たる仕草は優雅であり絢爛だ。
「そうだね、自由でいたいザラが王妃になるって、よく言ってくれたなって思ってた」
結婚とは最大の不自由だ。
無数にいる異性からたった一人を選ぶことは、他の全ての可能性を切り捨てること。相手に責任を持つことは、本当にただただ重みのあることだ。
それが王妃となればなおさらだ。
「不自由を持つ覚悟があるからこそ、芽生えるものがあると旅の先で知ったのじゃ」
「人間ってのはわざわざ窮屈でいることで、幸せを感じる生き物だからね」
「エドはかつてもそう言っておった。我も、今ならわかる。
重さがあるからこそ、愛なのじゃ」
ザラはエドワードと繋いだ手をぎゅっと握る。こうして手を繋ぐと動きづらくて不自由なのは確実な事実だ。
だが、愛する人とはわざわざ手を繋いでいたい。
「僕みたいにね!」
「そなたは重すぎじゃが」



