気を持たせたザラは、エドワードがキスしようとした手をひょいとひったくった。
「またプイッてするよね!僕の大好きなやつ!」
喚くエドワードを意に介さず、ザラが偉そうに座った足を組み直す。まだ問題が残っている。
「して、エドワード。求婚の試練はどうする気じゃ?」
エドワードは跪いたまま偉そうで美しいザラに釘付けだ。にこりと柔和に笑ったエドワードは用意していた答えを提示する。
「求婚の試練はさ、もう終わったと思っていいんだよね?」
ザラを見上げたエドワードの真っ青な瞳が柔らかく細まる。この答えを見つけたから、エドワードは走ってザラに会いに行こうとしたのだ。
エドワードは跪いたまま、ザラの手の感触を楽しむように優しく握り直す。
「僕と結婚するために公爵令嬢になってくれた。
僕と結婚するためにわざわざ見合いにきてくれた。
僕のこと大好きで、結婚する気満々なザラはもう、求婚の試練を終わりにしたんだ」
エドワードの回答に大満足して、大きく頷いたザラは愉快に笑った。
「さすがエド。正解じゃ」
首を傾げたのはルドルフだ。立会人として、弟としてこの求婚の試練に大いに巻き込まれてきた。だから、この謎を置いておけなかった。ルドルフが口を挟む。
「求婚の試練を乗り越えるために、兄様は平民にならなければならなかったはずですよね。兄様は国王のままですが……」



