「ちょ!待って、待ってゆっくり話、ちゃんと最初から!」
「黙っておれ、エド。そなたならそのうちわかる」
ザラが一本指をぷるんと艶やかな唇の前でシーと揺らすと、エドワードはもう一度その唇にむしゃぶりつきたくなった。
エドワードがザラによって黙らされたので、ルドルフが安心して口上を始める。
「エドワード国王と、公爵令嬢ザラ・ハミルトンの見合いを行います」
エドワードがザラとジェニットを交互に見て、やっと名前が変わった意味がわかった。
「もしかしてハミルトン家に養子に入ったの?」
「そうじゃ。我はジェニットの姉となった」
「お父様も、弟も大歓迎でした!」
ジェニットが隣でにっこり華々しく笑うと、ルドルフは思いっきり視線を持っていかれて見合いの進行が滞る。
ルドルフがぼーっとしている間に、エドワードの頭の中でカチンと辻褄があった。
公爵になったジェニットの姉。ということは、今のザラも公爵令嬢だ。
ザラはもう平民ではない。



