離縁するのじゃ、夫様!──離縁前提婚の激重陛下が逃がしてくれず、結局ズブズブ愛され王妃に君臨するまで─


いつも柔和なエドワードの顔から表情が抜け落ちたことにザラは気がついた。エドワードの冷たい声が降りかかる。


「首尾はどうだったの?」

「上々じゃが。どうかしたか?」


婚約どころか、結婚したと報告されるのでは。

そんな美しい姿で来たのは大事な話だから?


「男に会いに行ったの?」

「もちろんじゃ」


軽やかなザラはもう平民になれないエドワードに見切りをつけてしまったから、そんな男に会いに行った?


「良い男だった?」

「そうだな、さすがジェニットの血族といったところ」


エドワードの頭を駆け巡る欺瞞は止まらず、ザラに一歩一歩詰め寄ってしまう。


「エド?」


エドワードの瞳孔が開いた真っ青の瞳に迫られて、ザラは一歩一歩後退した。見たことのない影のにじみ出る表情だった。エドワードはいつも柔和で、怒ったとしてもギャンギャン喚く。


こんなに静かな圧迫感は慣れなかった。


「何をしたの?」