「ルドルフ、悪いが見合いは中止にしてくれ。僕は行くところがある」
「いや、待ってください、兄様、本当に困ります!」
「僕も大事な用事だ。力になれなくてすまない。その見合いを断っても僕は死なないって約束するから」
「その、どちらへ?」
「僕は今からハミルトン領に行って、ザラに求婚してくる!じゃあ、あと頼んだよルドルフ!」
ふふんといつもの調子を取り戻すエドワードが、溌剌と告げた。
「兄様、本当に待ってください!すれ違ってしまいますよ!」
「ハハッ!僕がザラの心とすれ違うわけないだろ!」
「いや、精神的にじゃなくて本当に物理的に!」
アッハッハッハと高笑いを響かせながら、全く話を聞かない兄はルドルフの横を通り過ぎようとする。走り出したら暴風のような兄をルドルフは口で止めようがなかった。ガシッとエドワードの二の腕を掴む。
マジで行かせるわけには行かなかった。



