離縁するのじゃ、夫様!──離縁前提婚の激重陛下が逃がしてくれず、結局ズブズブ愛され王妃に君臨するまで─


にっかり歯を見せて大きく笑うのは、ハミルトン領出身の医師であるヨハンだ。先の流行り病で彼は特効薬を開発する大きな功績を上げた。

褒美として、この救護院の管理者として抜擢したのだ。大きな体で優しいヨハンは救護院長として子どもたちに大人気だと聞いている。


「ヨハンー!この人誰ー?」

「こ、こら!」


ヨハンの後ろを付いて来ていた一人の男の子が、エドワードを見て興味津々だ。

国王に向かってこの人誰などという暴言にヨハンが肝を冷やす。だが、エドワードが首を振った。


「いいよ、ヨハン気にしないで。エドワードだよ。よろしく」


エドワードがわざわざしゃがんで視線を合わせて笑うと、少年もにっかり笑った。


「エドね!こっち来て来て!一緒に遊ぼうー!」


片腕を包帯で覆った少年が、人懐っこくエドワードの手を取る。


(たまには遊ぶのもいいか)