執務室でぼんやりするエドワードの隣に立ったルドルフが小さく声をかけると、エドワードが振り向いた。無視するわけではないが、必要最低限しか話さないエドワードは不気味だ。
「何?」
「見合いの申し込みが炸裂してまして」
「全部断って」
ピシャリと断られるのは予想通りである。ザラ一筋のエドワードに見合いなど無謀だ。
だが、ルドルフはここで諦めるわけにはいかない。一生一度のお願いを使ってエドワードを王座に引き止めたルドルフには、兄を幸せにする責任がある。
「他は断りますが、一件だけは断れない相手なのです」
「どういうこと?」
「断ったら国家存亡の危機です。その……兄様が死んで」
「なんで見合い断るくらいで僕が死ぬの。まどろっこしいな。相手誰?」



