離縁するのじゃ、夫様!──離縁前提婚の激重陛下が逃がしてくれず、結局ズブズブ愛され王妃に君臨するまで─



国境を越えていくつもりだったが、馬車からの光景に惹かれてつい馬車を下りてしまったのだ。


ただなんとなく、あてもなく、降りたくなったので降りた。

気の赴くままに、ザラは茶色く枯れた草が生えているだけの荒れた畑の側を歩き続けた。


(荒れておるの。この辺りはハミルトン領か……確か先代領主は高齢で国外にいて、娘が代わりに領主をしておったはずじゃ)


昔からエドワードがごねるので一緒に勉強するはめになってきたザラは、知らぬ間に国に関するあらゆる情報が頭に入っていた。エドワードと共に育てば、嫌でも教養から礼儀まで全てが身に付く。


ザラは、身分は平民だが、中身はすっかり貴族仕様なのだ。