離縁するのじゃ、夫様!──離縁前提婚の激重陛下が逃がしてくれず、結局ズブズブ愛され王妃に君臨するまで─

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ザラはジェニットと共に、ハミルトン領へと帰る馬車に乗っていた。

足を組んで、窓から流れる景色を見ているザラは鼻歌を歌っている。


正面に座るジェニットはいそいそと居住まいを正して、ザラに問いかけた。


「ザラ様、いいんですか?国王様、なんだかすごく驚いてましたけど」

「エドワードのためじゃ」


視線をジェニットに移したザラが柔らかく微笑した。


「エドワードは誰より国王にふさわしい。あんな計画、潰れて良かったのじゃ」


ザラの柔和な雰囲気から、エドワードに意地悪したわけではないのは明白だった。

きっと心から、ザラはエドワードのためを思った行動をしたのだろう。


ジェニットには「あんな計画」の全貌が見えなかったが、ザラがそう言うならそうなのだろうと飲み込んだ。ザラは偉そうだけど、優しい人だと知っている。