貴族たちがあれは誰だ?と質問する前に偉そうに組み敷いてしまうのがザラだ。王弟ルドルフがザラに意見を求め、従う様子もあの人には逆らってはいけない演出となっていた。
「僕の留守の間に仕切ってるとか、もはや王妃だね、ザラ」
「その通りですね。間違いありません。王妃にしか見えませんでした」
税金泥棒たちの尻を叩いていたザラが戻って来て、エドワードの隣に立った。豊かな黒い髪を背に流したザラがエドワードを見つめる。
「さて、何からやろうかの?エド」
「え、まだ手伝ってくれるの?」
「国の危機に寝ているほど我は暇ではないのでな」
エドワードが寝ている間だけのヘルプかと思っていたが、ザラは国が立ち直るまでいてくれるようだ。エドワードはますます元気が出てくる。
ザラのためならば何でもできる。だが、ザラが支えてくれるならば、世界も救える。
ニパッと幸せ満載に笑ったエドワードはザラに手を差し出した。
「じゃあ人を貸してくれる?王都の人間はみんな疲弊してる。元気な人が欲しいんだ」
「よかろう。ではリベルタのものを寄越そう。皆元気じゃ」
「さすがの強運一族……」



