離縁するのじゃ、夫様!──離縁前提婚の激重陛下が逃がしてくれず、結局ズブズブ愛され王妃に君臨するまで─



新設の隔離病棟を訪れ、医者の控室にてジェニットはヨハンと久々の再会を果たした。


「ヨハン!」

「お嬢様、お久しぶりです」

「痩せたんじゃないの?大丈夫?」

「いえ全く元気で、ルドルフ様に良くして頂いています。わざわざこんなところまで来て頂いて」


ジェニットの目には痩せたらしいが、どう見ても未だにムキムキ眼鏡のヨハンにザラは安心した。

再会を見守ったザラは、開口一番にヨハンに依頼をかける。一時の猶予もない。


「ヨハン、特効薬をつくるために王城へ来い」

「王城へですか?」

「エドワードが集めた有能な医者たちの叡智を集めて早急に薬を作るぞ。

ハミルトン領のモミ葉の特性について一番詳しいのはお前じゃ。研究をもちろん続けておるのじゃろう?」

「はい、もちろんです。この流行り病への見解もすでにあります」


きりっと素早く的確に回答するヨハンにザラが深く頷くいた。


「ヨハン、モミ葉研究者はこの国にお前だけじゃ」


ザラの鋭い視線が、ヨハンに上からグッとプレッシャーをかける。これがどれほど重い任か認識させるためだ。


「任せたぞ」