王都に入ったザラは、エドワードの病床よりも先にヨハンを訪ねた。
新設されたばかりの建物が隔離場所としての機能を果たしていることに、ザラは笑った。
(良い使い方じゃ、エド。がんばっておったのだな)
エドワードが王都で奮闘していたことがザラの目に見える。
病を恐れず前線で指揮をとっていただろうエドワードをザラは誇らしく思う。この国の危機を前に、エドワードの頭の中からは平民になるざまあ作戦のことなど、すっかり抜け落ちてしまっていただろう。
エドワードは目の前の有事を解決して、国民に平和をもたらすことにただ必死だったに違いない。
エドワードが生まれながらに持つ国王である誇りを、ザラは愛している。
だからエドワードが王を捨てて平民になるなんて、できないと思って求婚の試練としたのだ。



