離縁するのじゃ、夫様!──離縁前提婚の激重陛下が逃がしてくれず、結局ズブズブ愛され王妃に君臨するまで─



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それからひと月が過ぎる頃には、王都の流行り病はさらに酷いことになっていた。


ますます感染者、死亡者は増え、治療薬も見つからないと報道されている。ザラ専用の伝書鳥からの手紙を受け取ったザラは、持っていた違和感に確信を持った。


「やはりそうか」


食堂であいかわらず騒がしい夕食を終えた後、ザラはジェニットを私室に呼んだ。部屋に訪れたジェニットを座らせて、ザラはテーブルの上に新聞を置いた。


「ジェニット、ハミルトン領の感染者はいまだゼロじゃな?」

「はい、国王様からのお達しで各領の行き来は全面禁止されたので、誰も人を入れなかった効果かと」

「ここはジェニットが完璧に封鎖したが、どこぞでは、バカ者の甘い封鎖ゆえに感染が拡大したがな」

「どうして国王様の言うこと聞かない人がいるんでしょうね」

「愚かだからじゃ」


蛙腹大臣は自分だけが王都への交易ルートを持つことにこだわり、完全に王都を隔離しなかった。

結果、感染を拡大させた上に現在、流行り病で病床に伏していると新聞でこき下ろされている。

これぞ、ざまあである。


「このまま誰も発病しないでくれるといいのですが」