離縁するのじゃ、夫様!──離縁前提婚の激重陛下が逃がしてくれず、結局ズブズブ愛され王妃に君臨するまで─


エドワードがザラを抱きしめる腕にますます力を込めるのでザラは少し息苦しかった。


「昨夜に腑に落ちたことがある」

「なに?」


エドワードはキス三昧の夜に口元を隠していなかったので、ザラの黒髪に顔を埋めてザラに顔を見られないようにしていた。デレデレ緩む顔を見てもらうのは構わないが、求婚の試練中なので顔は見せない約束だ。


「そなたはやはり、我の特別なのじゃなと痛感した」


ザラがハチャメチャ期待を持たせることを言い始めたので、エドワードはザラの腹を抱く手にぎゅっと力がこもった。ザラはエドワードの筋張る腕をするすると撫でてぽつぽつと確認するように語る。


「真実の愛を求めて旅に出たがの、我を好くのはそなただけじゃなと気がついた」


エドワードは真っ青な目をぱちぱちして首を傾げる。ザラが引く手あまたなのは言うまでもない。だが、エドワードがザラを好く人物は徹底的に遠ざけてきた。

そんな基本戦術の効果が今頃でてきた事実に、逆に驚きが隠せない。何でもやっておくものである。



「我が欲しいものを言わずとも用意してしまうのも、そなただけ」