離縁するのじゃ、夫様!──離縁前提婚の激重陛下が逃がしてくれず、結局ズブズブ愛され王妃に君臨するまで─



久々にゆっくり眠れたザラが目覚めると、身体はがっちりエドワードの腕に拘束されたままだった。

背中にから腹の前に回されたエドワードの手をザラがゆっくり撫でる。


窓の外からは静かな雨音が続いていて、今日も雨だと知る。

だが、足の疼きは収まっていて、ザラは背中に貼りつく温かさに息がしやすかった。


「エド、おはよう」

「おはよう」


背中からはしっかりしたエドワードの声が響いてきて、腹をぎゅっと抱き直される。


暗殺百戦錬磨を生き抜いて来たエドワードは眠りが浅い。最初にザラが手を撫でた瞬間にから起きていたことがザラにはわかっていた。


「エドワード、昨日は……ありがとう」


ザラはエドワードの顔を見ないまま腹に回る腕をするっと撫でる。すると首筋にエドワードの顎が乗り、嬉しそうな息が耳元に響く。


「ザラのありがとうって貴重だね。いつもなら、すまなかったとか、助かったって言うのに」

「お前に感謝したくなったのじゃ」

「ええ、何なに?ますます珍しい。香水もつけてくれて、めちゃくちゃ可愛いんだけど誘ってからプイってする遊びするの?いいよ?」