離縁するのじゃ、夫様!──離縁前提婚の激重陛下が逃がしてくれず、結局ズブズブ愛され王妃に君臨するまで─



ザラの部屋の前に到着したエドワードはノックもせずにドアを開ける。ジェニットはぎょっとしたが、ザラに通していいと言われていたことを思い出した。どこまで以心伝心なのか。


ドアを開けたエドワードが、ジェニットをふり返ってにこりと笑う。


「朝まで二人っきりにしてね、ジェニット嬢。誰にも聞かれたくないから」

「は!はぁい!」


ジェニットの頭にめくるめく夜のお二人妄想が爆発して、真っ赤な顔で大きすぎる声の返事をしてしまった。


「初心い反応。ルドルフが喜ぶよ?」


クスクス笑ったエドワードはドアの向こうに消えていった。ジェニットは足早にドアの前を去って、カッカする顔を両手でパチパチ叩いて落ち着こうとしたが、早鐘は止まらなかった。


(具合悪いのを察してきてくださるなんて!ザラ様、愛され過ぎてます!)


あれで両片思い拗らせて付き合ってないお二人に、ジェニットのやきもきドッキンは続く。恋心を刺激されたジェニットは私室に戻り、ルドルフに贈られた香水を使った。