離縁するのじゃ、夫様!──離縁前提婚の激重陛下が逃がしてくれず、結局ズブズブ愛され王妃に君臨するまで─


次の日、ついにザラが夕食にも出てこなかった。やきもきしていたジェニットに来訪があった。

雨の中、真夜中にジェニットの屋敷のドアを叩いたのは、エドワード国王陛下だ。


本当に約束もしてないのにやってきた。


「え、エドワード国王様!」

「えっと、ジェニット嬢だね。内緒にしてね。僕はここではアンドリュー君だから」


濡れたローブを脱いでも口元を隠す布を外さないエドワードは、柔和に笑って人差し指を口元に立てた。

金色の前髪から滴る雨が、いい男を濡らしていた。

ジェニットがうかつに国王の名を出したことを誰かに聞かれたかととキョロキョロしたが、出迎えたジェニット以外は誰もいなかった。


「ザラは?」