ジェニットはこんなに世話になっているザラに対して何もできないことが悔しかった。だが、無理やり踏み込んで嫌われたくもなかった。
どうしても心配なので、自室のドアの前までジェニットはザラを送って行った。これがジェニットの限界だ。
ドアを開けて振り返ったザラがまたにこりと覇気なく笑う。
「エドワード、いや、アンドリューか?まあ奴が来たら部屋に通してくれてかまわない」
「え?!国王様が?お約束なさってるのですか?」
ジェニットが国王来訪?!と一瞬で混乱に陥りかけた。だが、ザラが次に放った言葉の方がさらにジェニットを混乱に突き落とした。
「いや?約束などしておらん。だが、来るはずじゃ」
(王都でお仕事してる国王様が約束もなくこんな辺境に来るってわかっちゃうんですか?なんでですか?ザラ様と国王様ってどうやって繋がってるんですか??)
以心伝心が過ぎるお二人の間柄を見守るジェニットはドキドキが止まらなかった。



