グズる国王エドワードを置き去りにして、ジェニットとザラは馬車に乗ってハミルトン領を目指した。調香師として大成功をおさめた領民女性たちは興奮冷めやらぬ様子で、後ろの馬車に乗っている。
ザラ指導のもとに行われているハミルトン領の女性の社会進出は、目を見張るものがあった。
ジェニットとザラは二人きりの馬車で向かい合っていた。
行きとは違う香水の香りを纏ったジェニットに、足を組んだザラがニヤリと笑いかける。
「明るくて甘い甘い香りじゃ」
「え?」
「ルドルフに香水を贈られたのだろう?」
「え?!なんでわかっちゃうんですか?!」
「あの場にいた者はみんな知っておる」
「そ、そうなんですか?」



