離縁するのじゃ、夫様!──離縁前提婚の激重陛下が逃がしてくれず、結局ズブズブ愛され王妃に君臨するまで─


対人シミュレーション訓練をこなしてきた女性調香師たちに、貴族男性陣は次々と恋愛相談を持ち掛けていた。どのテーブルも盛り上がり、訓練の成果は上々である。


「わかります!そんな彼女様にはこちらの香りが合うかもしれません」


ジェニットは共感に共感からの、数種類買いを押し付ける手腕を発揮していた。もし彼女様がもう一本欲しいとおっしゃいましたら、こちらにご連絡を!まで繋げて、なかなか商売上手である。


「俺も、お願いできますか?」

「はい、ぜひ!あ、王弟殿下……」


ジェニットが張り切って応対しているテーブルに、ルドルフがやってきた。


お互いに顔を見合わせてさっと視線を逸らして赤くなるという初心いやりとりを魅せつける。


隣のテーブルから二人を見ていたある調香師は、香水を使っていないのに甘い香りに眩暈がしそうになったと後に語る。