エドワードがザラに尽くすのは当然と受け取ってきたが、さすがにここまで大きな愛の証明をもらったことはない。


ザラと結婚したいがために国を変えようとする男の奮闘は、さすがのザラの心も湧き踊らせる。


エドワードの国王としての裏のある活躍に、ザラは胸キュっと鳴って躍ってしまうのだ。ザラは新聞を読んでは微笑んでしまう。


(かっこよいぞ、エド)


エドワードが国を想い事を為す王たる姿だけは、純粋に、愛していると主張できた。


「エドに、良い風が吹くように」


ザラは新聞を閉じて、窓の外を眺めて夜空に笑いかけた。実家で毎日側にいた時よりずっとずっと、エドワードが魅力ある男に思えた。


「さて、我も負けてられん。ルドルフに伝書鳥でも飛ばすかの」


エドワードの奮闘に煽られて、ザラは義足でしゃきっと立ち上がった。

ここでエドワードではなく、ルドルフに手紙を飛ばしてしまうところが、ザラのひねくれたところである。