立ち上がるザラにジェニットが素早く手を差し出した。ザラはジェニットと手を繋いだまま、調香師訓練の間を歩き出した。
「ふふっ、天誅な。うまいこと言う」
「議会で貴族狩りをやろうなんて案は通りませんから、国王独裁権の素晴らしい使い方です」
話の途中だが、ジェニットはザラに手を引かれて共に歩いて行く。宿題だけをのんびりやっているわけにはいかないのだ。
ザラとジェニットが歩いてきたので、調香師訓練中の一人の女性が顔を上げて訊ねる。
「ザラ様、お客様が恥ずかしがってあまり彼女様の情報が出てこない場合には、どうお答えすれば?」
「一番甘い香りのものを買わせておけ」
「え、どうしてですか?」
「好きな相手には甘い香りで間違いがない」
調香師訓練中の女性は高らかに笑ってそれはそうだと納得した。
ジェニットはザラのあっさりした捌きに笑いつつ、再び歩きだしたザラに宿題の続きを繰り出す。
「それでザラ様、エドワード国王様の悪名高き増税の件もおかしいです」



