離縁するのじゃ、夫様!──離縁前提婚の激重陛下が逃がしてくれず、結局ズブズブ愛され王妃に君臨するまで─




ザラが旅支度を整えて、時計が2周はするほどわざと待たせてからエドワードがいる客間を訪れた。


「やあ、ザラ。今日も美しいね」


ドアが開いた瞬間、エドワードは待たされて文句を言うどころか、輝く笑顔で立ち上がってドアの間際までザラの手を引きに寄って来る。


「一人で歩ける」

「知ってるよ。君の手に触りたいだけ」


エドワードはそう言いつつ、エスコートとは思えない強い力でザラを支える。エドワードのあからさまな大きな愛が、ザラには不便だった。とにかく重い。


テーブルを挟んで向こう側に座ればいいのに、エドワードはザラと同じソファの隣に陣取った。エドワードは必ず左側に座る。ザラの欠けた足の方向だ。


豊かな黒髪を背中に流したザラは、エドワードを睨みつける。


「何の用じゃ」

「僕と結婚してください」