離縁するのじゃ、夫様!──離縁前提婚の激重陛下が逃がしてくれず、結局ズブズブ愛され王妃に君臨するまで─


「わかりました。お約束します。いつか危機が訪れた時は、必ずお嬢様をお助けすると」

「頼んだわよ、ヨハン」


ジェニットが行き渋るヨハンの背を押す様子を覗き見ていたザラは、満足にうんうんと頷いた。


エドワードはいつの間にか頭頂を嗅ぐに飽き足らず、ザラの背中から腕を回してちゃっかり抱きしめて首筋まで嗅いでいた。


「未来の領のために、人材を育てる先行投資。見事な采配じゃなジェニット」

「僕も今思いっきり迷惑なくらい先行投資してるから。僕もがんばって人育ててるから。僕も褒めてザラ」

「貴族狩りをして、犬みたいに嗅いでるだけのそなたのどこに、褒める要素があったのじゃ?」


エドワードも褒めて欲しいらしいが、褒めるところが見当たらなくてザラは首を傾げた。