離縁するのじゃ、夫様!──離縁前提婚の激重陛下が逃がしてくれず、結局ズブズブ愛され王妃に君臨するまで─


ブロンドのポニーテールを揺らしたジェニットが、ヨハンのゴツい手を細い両手をぎゅっと握る。


「知ってるわ。ヨハンがハミルトン領をどんなに大切に想ってくれているか」


ジェニットはグリーンの瞳に期待を込めて背の高いヨハンを見上げた。


「でも、ハミルトン領を想うなら、なおさら行って来て欲しいの」


ヨハンはジェニットのグリーンの瞳にまっすぐに射抜かれると、身動きできなかった。


「王都にしかない技術を学んで、帰って来て教えて欲しい。ヨハンが王都の技術を持ち帰ってくれたら、未来のハミルトン領で医療が発達するのよ?すごいじゃない!」

「お嬢様……そんな先のことまでお考えで」

「領主ですもの」


ジェニットがハミルトン領の未来を見据えている姿に、立派な領主として視野を広げていることをヨハンは知った。ザラが来てから、ジェニットは領主として確実に成長していた。


「私たちハミルトン領民の未来を守ると思って行って来て」

「俺が未来を守る?」