離縁するのじゃ、夫様!──離縁前提婚の激重陛下が逃がしてくれず、結局ズブズブ愛され王妃に君臨するまで─


エドワードの発想にザラがぽんと手を打ち、焦げ茶色の瞳を見開いた。


「オーダーメイド路線じゃな」

「そう、愛しい彼女をイメージした香水を作りましょう商品だよ」

「良いな。ベースのブレンドを固定してしまえば、微調整のみで無数に香りが作れる」


ザラはもたれていた背もたれから身体を起こして、調合結果を記載していた紙を確認し始める。

惜しいところまでいく香りはいくらでもあった。最後は好みで最終調整すればいい。


「ハミルトン領でいろんな香草が採取できる利点も活かせるよ」

「己の彼女への妄想がたっぷり乗った香水を作る楽しみがあるな」

「それそれ!しかももらった方からすればあの人は私にこんなイメージを持ってくれているんだ!って、また嬉しくなっちゃうよね!」

「エドの発想にはいつも驚かされる」


ザラはエドワードの常識に囚われない自由な発想が、風のようで魅力的に感じる。


道のないところに道を拓く。

王の資質がエドワードから滲む瞬間だ。


ザラはエドワードの王たる素養だけは、純粋に愛していると主張できた。