離縁するのじゃ、夫様!──離縁前提婚の激重陛下が逃がしてくれず、結局ズブズブ愛され王妃に君臨するまで─



昼間から始めたモミ香水実験だが、日が暮れて全種類のブレンドが終わっても「これぞ」というものはできなかった。

テーブルに突っ伏したエドワードがザラを見上げる。さすがにザラもぐったり全体重を椅子にもたれて天を仰いでいる。


「あのさ、結論言ってもいい?」

「意見を聞こう」


モミ葉香水は断念かとザラは腕を組んだが、エドワードがからっと笑って目を細める。


「モミ葉はさ、これぞってのが『ない』のが売りじゃない?」

「どういうことじゃ?」

「モミ葉は基盤として優秀なんだよ。単体ではイマイチ決め手にかけるけど、いろんな香りの子とそこそこ仲良くできる」

「モミ葉は女タラシということじゃな」

「言い方ね。モミ葉を基調にして、最後にちょっと手を入れてあなたの恋人だけの香水作ります!で売る線はどう?」