「わかりました。」


「行きましょう、立花さん。」


「はい。」


龍矢は私を支えて、コートを出た。


人に見えなくなったとき、突然龍矢が止まった。


顔が怖い。


「あの・・・なんか怒ってる?」


「バカか、お前は!また同じとこひねって。」


「バカとはなによ。バカとは。勝ったんだからいいでしょ?」


「勝ったとか負けたとか、どうでもいいんだよ。日射病にもなりやがって。」


うっ、気づかれてた。


「だって、しょうがないじゃん。みんな期待してたし。勝ちたかったんだもん。」


なんで、勝ったのに怒られなきゃいけないのよ。


くやしい。


一言、頑張ったなって言ってくれてもいいじゃない。