声を荒らげずにはいられない。
涙を飛ばしながら、直月を責めずにはいられない。
「それなのに、柚葉ちゃんの涙に惚れたって何? 泣かないで偉いって言ってくれたよね? 女子の涙が好きだったら、あんな無責任な言葉、私にささやかないで欲しかったのに……」
「……」
「直月に惚れて欲しくて……直月の好みの女子でいようと、必死に泣くのを我慢していた自分が……バカみたいじゃん……」
「……」
「あの日、マカロンみたいだって褒めてくれたから……。直月の誕生日に……頑張って作ったのに……」
「僕が没収したあの箱って……」
「私が近づかないようにって、織姫と彦星に願ったんでしょ? その願い、私が叶えてあげるって言ってるの! だからもう二度と、私に構わないで!!」



