額の血管が、ブチっっと切れた。
目も眉も吊り上げた私。
直月の瞳には、口裂け女並みに醜く映っているだろう。
毎朝、オシャレを頑張ってきたのに。
直月の瞳に可愛く映りたくて。
辛くても笑い続けてきたのに。
直月に嫌われたくなかったから。
もう直月のことなんて、二度と大好きになんてならないんだから!
マグマのような怒りがこみあげてきて、私は直月に怒鳴り声をぶつけた。
「直月、私に言ってくれたよね? 泣かないで偉いじゃんって!」
「……えっ? そんなことを、亜里沙に言った覚えは……」
「私だってずっと泣きたかったんだよ! 大好きな人に告白して、フラれて傷つかないわけないじゃん!」
「……」
「付き合えないって言われるたびに、涙がこぼれそうになってたの! 直月は泣かない子が好きって言ってたから、涙腺が緩みそうになるたびにお腹をつねって、痛みで悲しみをごまかしてたんだから!」



