「この箱、振ると重い音がするけど」
ひぃえぇぇぇ~~
ふふふっ、振らないで!
おおおお……お願いだから!
「タオルって言うのは嘘だな」
うぅっ、、、……バレてる。
「亜里沙の言葉なんて、信じなきゃよかった」
「ででっ……でもね、おばあちゃんのことは……」
「この箱も、先生に預けておくから」
「それだけは返してってば!」
「無理。怪しいものは、職員室に持っていく決まりになってる」
どどど…、どうしよう。
先生に渡っちゃう。
昨日は一睡もしないで、サプライズ演出を考えたんだよ。
直月が私に恋しちゃうような、とっておきのシチュ。
昼休みに決行予定だったのに……
あぁぁ、もう。
ムードとか演出とか、気にするのやめた!
直月の手に渡ってくれさえすれば、それでいい!



