直月くんは、キケンな恋に沼りたい


『一番有効な方法が、直月先輩が彼女を作ることなんですよ!』


『それで僕が、柚葉さんと付き合ってるということにするわけ?』


『仮でいいんです。亜里沙先輩や生徒たちに、直月先輩には本命がいると思わせるだけで大成功ですから』


『でも僕は亜里沙に断言をしているんだ。学生の間は、恋人を作らないって』


『気が変わったって言えばいいだけの話です。運命の恋なんて、いつ心を奪われる出会いをするかわからないものだし』


『だが……あまりにも不誠実すぎではないか?』



僕を好きだと言ってくれる相手がいるのに。

嘘の恋人を作るなんて。



……いや、待てよ。



まだ恋が実る可能性がある。

そう勘違いさせてしまっているのなら、中途半端に接している方が残酷なのか?



わからない。

何が正解で、僕は風紀委員としてどうすればいいんだ。