「これは先生に渡しちゃダメなやつなんだよ。ガチで大事なやつ」
直月さまさま。
そうなんだねーって微笑みながら、小箱を私に返してください。
「箱の中身教えて。綺麗にラッピングされてるけど」
そこまで突っ込んでくるの?
えっと……あっと……
「そっ、そうそう。おばあちゃんが入院しちゃって、放課後にお見舞いに行くんだ」
「病気?」
「もう年だからね。無理させすぎちゃったのかな?」
「……そうか」
「おばあちゃんを喜ばせたくて、ハンドタオル買ったの。夏って熱いじゃん。汗拭きたいじゃん」
「なんか見直した」
「でしょ? 見た目派手だし自分勝手に見られがちだけど。気遣いできる優しい孫なんだ、私」
これで私の高感度、グググーんて上昇したよね?
それなら私のこと、好きになって。
お願い!!
「あれ?」
「どうしたの、直月?」
疑い深い目で、小箱を見つめだして。



